イワシの日記

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音ゲーはesportsたりうるか

はじめに

音ゲーの競技シーンはいまどうなっているのか、esportsとしての可能性はあるのか|なぞべーむ|note

 この記事がTLにRTで流れてきて、半年も前の記事だけど、なんとなく僕なりに思うところがあったのでツイッターでいろいろ言ってみようかと思ったら長くなったのでこちらでまとめます。

面倒だしほぼそのままコピペするので、文章の区切りが変だったり強引だったり、まとまりがなかったりするかもしれないけどお兄さん許して。

 

おきもち

 esportsとして相手との相互作用がある対戦型であることが肝要なのは間違いないと思うけど、こと音ゲーに関しては「正しいリズムで正しい操作をする」のが明確な最重要課題でありカタルシスを得られる要因であって、それを乱す要素になりかねない相互作用(ポップンでいうオジャマとか)を楽しめるかどうかというのはかなりプレイヤー個々人の感性に依拠してくるなぁと思う。

 実際KAC(コナミのほぼ年一開催の全国大会)で過去に一度ポップンのオジャマ部門があったようだけど結局次回開催からまた通常部門だけになってるし(男女別になったけど)。

 別にこれを以てオジャマ部門はいらなかったと言いたいわけではないけど、本質的に「相手の嫌がることをやる、それに対する華麗な対応の応酬」っていう対戦ゲームの見所を形成する要素としてはみんながみんな賛同できるものじゃなかったのかなぁとは思う。オジャマの内容も全員共通で指定されてたみたいだし。

 

音ゲーのesportsとしての見所さん

 で、じゃあ戦略も何も全くなくて見所ゼロなのかというとそうではなくて、例えば参戦者が各々課題曲を決める形式だと「あいつはこういう系統の曲が苦手だから……」とか「あいつが得意なこういう系統の曲を選びそうだから予選中に対策して練習しよう」とかそういう読み合いが発生することはあるけど、画面上に分かりやすい形でそれが表れるわけではなく、あくまでゲーム外の文脈を読み取って楽しむしかないもので、スポーツとして観客が楽しむには前提知識のハードルがやや高い上に結果として地味だと思うんだよね。

 

 プロスポーツって結局は競技の見栄えの良し悪しで客がついて、関連商品等を扱う(扱ってない場合も多々あるけど)スポンサーが出資して成り立ってる側面も大きくて、そういう意味で「(ホルダーが自社製品を広報する目的以外で)音ゲーマーのスポンサーになりたい企業とは」って話になるとどこも手を挙げないのが現状だと思います。例えば球技なんかではボールだったりウェアだったりシューズだったりのメーカーがスポンサーについてる例が多いけど、音ゲーってそういうパフォーマンス向上のために身体的なアプローチがあるかっていうとほとんどないし(ないとは言っていない)。

 

 esportsが既存のプロスポーツのようであるべきか否かという話もあるけど、esports選手を目指す人の多くはそこに生活の糧を得ることも夢見ている人が多いだろうし、多くの観客に訴えかけて裾野を広げるという意味でも、スポーツとしての見栄えは大事(であるにも関わらず音ゲーはそれが演出しにくいゲーム)だと思う。

 

 もちろんesports全般がそういう苦境にあるとも思ってなくて、例えばLoLCSGOみたいな世界的にメジャーでありながらプレイヤー個々人で周辺機器のこだわりが生じるものなんかは十分に要件を満たしてると思う(その上対戦ゲームとして見栄えもいい、というかだからこそ今の姿があるし、esportsの土壌はそこにあるんだけど)。

 

ただのいち音ゲーマーとしてのesports化への展望

 飽くまで音ゲーに限った話ということになるけど、僕は正直esports化はかなり難しいと思っていて、それはここまで長々と述べてきた現状と、加えてこれも僕の主観だけど、「オジャマがそんなに好きではない、どちらかというと強制されたら嫌だ」というのがあるからで、恐らくこれに賛同してくれる音ゲーマーは少なからずいると思う。もちろんそういうレギュレーションとして楽しむ人たちがいるのは全く嫌悪・問題視してないし(ここ重要)存在自体をどうこう言うほどのものではないんだけど。

 ただ単純に、オジャマのような要素でもないとesportsの要件を満たせないにも関わらず現状の公式の全国大会ではオジャマあり(及び各機種のそれに類似したレギュレーション)での対戦が行われていないのを見るに、「オジャマありがesportsとしてのスタンダードですよ」となると、進んで競技シーンに身を投じようという人がかなり少なくなるんではないかと僕は見てる。

 

 そう思い至ったのは、やはり僕がIIDXのDPerであることが大きく影響してるかな、とも。僕は別に実力はないしこれから第一線に登ろうという気概もないんだけど、SPと比べた時のマイノリティ感というか、先程の「そういう人がいてもいい」と「思われてる側」になっている感覚が大きい。別にDP流行ってくれともそんなに強く思ってないし、DPの方がSPよりも競技性が高いとは過去にも今でも思ったことはない(僕個人はSPよりDPの方が楽しい、ぐらいの感覚)。ただ、「一般的でないことを進んでやる人間はそう多くない」というごく当たり前のことを肌感覚で強く実感しているというだけの話。

 

まとめ

‪ここまでの話をまとめると

音ゲーは今のままでは対戦型の競技としては見栄えに欠ける。

・見栄えを良くしようとすると従来の音ゲーでは一般的でなかったレギュレーションが必要になる。

・そこに参入しようという人は少ないんじゃないか。

というのが僕の印象。上記したことに加えて、スポーツとしての金銭的価値の創造の難しさもあって、音ゲーの大会というのは主催する側も参加する側も身内ノリの理解が不可欠な小さい輪で終わるんじゃないかと。それでは「既存のプロスポーツのようなesports」にはなれない

 

 やっぱり「理解している」人同士で話してる時が楽しいしね。そして、現行の音ゲーは「理解する」ためのハードルがやや高く、そして非プレイヤーからして理解しようというモチベーションが湧き上がるほどに派手なゲーム性を持っていないのが現状かなぁ、と。

 これは選民主義ではないし、音ゲーに興味を持つ人が増えたらいいな、とは思うけど、じゃあどうしたらいいかというと難しいですね。

 

余談

 いや難しくないか。

 そもそもこの記事の執筆のきっかけになった記事でも触れられている通り、スマホで遊べるスクフェスやガルパの隆盛には目を見張るものがあると思います。

 ただ、競技としての性質は既存の純音ゲーとは水を空けられているのが現状かな、とも。

 先述の記事の段階では存在しなかったオンゲキが、今の音ゲー情勢の中でその橋渡しになるようなゲームなのかな、という気もしていますが、僕はオンゲキやってません。

 

 正直流行る予感があまりしないというのはあるんだけど、スクフェスACを見てからのあの形態でのリリースということは、セガとしてはライト層からハードコア層への接続を狙ったのかな、という気はしなくもない。

 言ってしまえば「既にハードコア寄りな自分がわざわざヌルい(であろう)ゲームに移行する理由がない(そこまでギャルゲ要素が好きでない)」ということになるんですけど、僕がそう言ってる間に音ゲーとしてひとかどの勢力に成長してるケースがありましたね(某ドラム式洗濯機とかウニとか)。

 まあ、そういう「ハードコア層が満足する純音ゲーの存続のためにライト層を取り入れる」という意味ではありがたい存在なのかな、と思います。

 

 じゃあ仮にオンゲキがめちゃくちゃ流行って国民的ゲームになってプロスポーツとして人気を博したらどうすんのか、っていうと、別にどうもしないでゲーセンでIIDXやってると思うんですけど。

 

 散々指摘されてることだとは思うけど、esportsという文化が誰のためにあるのか、っていう話で、別に自分のやってるゲームがプロスポーツ化したっていち弱小プレイヤーたる自分には何の恩恵もないんですよね。

 強いて言えば開発・運営している会社に資本が行き渡ってそのゲームを長く遊べるとかそのぐらいで。

 趣味及び同好の士との交流のきっかけという意味では音ゲーにはもう十分楽しませてもらったと思ってます。

 いつか遠い未来、僕が音ゲー引退した頃にプロスポーツ化してテレビ中継したりして、「いやーこのハズレ譜面でも往年のドルチェなら余裕だったろうなぁ今のプロ選手はレベル低いなぁ」とかしたり顔でブツブツ言ったりするのかもしれませんね。野球とかサッカーとかってそういうもんじゃないですか。だから国民的な人気があるんだと思うんですけど。

 

 音ゲーにはそれがないどころか、そういう「茶の間で批評だけする」のを冷笑する文脈がありますからね。

 いや野球とかでもあれこれ言ってるおっさんはいい顔されないのかもしれませんけど、身近にいなかったのでわかりません。

 

 収拾つかなくなってきそうなのでこの辺りで終わりにします。

冒頭でツイッターの下書きのコピペと言いましたが大分推敲&加筆しました。文体がデスマス調になってる辺りとかがそう。