イワシの日記

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俺は戦う 自由のために

お久しぶりです。
最近、シャドウバースでひたすらスパルタクスロイヤルを回してます。楽しいんです。これが。
なので、勝利のための自分の思考の整理も兼ねて、スパルタクスロイヤルの概要や魅力について語りたいと思います。

以下、視認性のためカード名には『』を付けますが、必ずしも正式名称での表現とは限りません。また、効果内容にも同様の表記を用いる他、重要でない点はある程度省略させていただいています。



【デッキ全体】

『神秘の指輪』3
『師の教え』3
『大安売り』2
『ソードエンジェル・エフェメラ』3
『光の道筋』3
『新たなる運命』3
『メイドリーダー』2
赤ずきん・メイジー』3
『太陽の槍・ルー』2
『マジックディーラー・エルネスタ』2
『簒奪の蛇剣』3
『ミニゴブリンメイジ』3
『純心の歌い手』1
『ウェポンディーラー・イルミスナ』2
『白欲の戦神・アイテール』2
スパルタクス』3


【ドローソース】計17枚
『神秘の指輪』3
『師の教え』3
『大安売り』2
『光の道筋』3
『新たなる運命』3
『マジックディーラー・エルネスタ』2
『純心の歌い手』1

【サーチカード】14枚
『メイドリーダー』2(指揮官:計5枚)
『太陽の槍・ルー』2(指揮官:計5枚)
『ミニゴブリンメイジ』3(コスト2以下フォロワー:計12枚)
『ウェポンディーラー・イルミスナ』2(スペル:計17枚)
『白翼の戦神・アイテール』2(ロイヤルフォロワー:計16枚)
スパルタクス』3(兵士:計9枚)

【条件を満たして使うとハンドが増えるカード】16枚
『大安売り』3
『新たなる運命』3
『太陽の槍・ルー』2
『マジックディーラー・エルネスタ』2
『純心の歌い手』1
『ウェポンディーラー・イルミスナ』2
スパルタクス』3

【使うと必ずハンドが減るカード】9枚
『神秘の指輪』3
『ソードエンジェル・エフェメラ』3
赤ずきん・メイジー』3

【条件を満たして使うとハンドが同数になるカード】計16枚
『師の教え』3
『光の道筋』3
『メイドリーダー』2
『簒奪の蛇剣』3
『ミニゴブリンメイジ』3
『白翼の戦神・アイテール』2


基本的な考え方

「使うとハンドが減らないカードを切り続けるとハンドは増えていく」
「『スパルタクス』を出したターンの次のターンのドローでハンドが9枚になるのが最高効率」
したがって、6ターン目のハンドは、ドローした時点で『スパルタクス』を含めて7枚になっていることが望ましいです。
スパルタクス』を出してハンド6枚でターン終了。その際に効果が発動し、(ほぼ確実に)2枚引くので、8枚持った状態で7ターン目のドローを迎えることになります。
そこから、『新たなる運命』を使い、大量の手札を捨てつつ(『新たなる運命』を除いた)同数のカードを引くことでドローを進め、デッキアウトによる特殊勝利を目指すデッキです。



各カードの役割

カード名の前の数字はコストです。

【スペル編】

①『神秘の指輪』3枚
ハンド内の指定したカード1枚を消滅させ、デッキに該当カードを1枚埋め込む。1枚ドロー。
『新たなる運命』で大量ドローを進める際最も効率がよいのは『新たなる運命』で引いたカードの中に次の『新たなる運命』が入っている時です。従って、ハンドに2枚以上『新たなる運命』がある場合、1枚使った時点で他のカードは全て捨てることになり、大量ドローのエンジンを失うことになるので、それを回避するために『神秘の指輪』で被った『新たなる運命』をデッキに戻すのが主な使い方。
他に戻すカードの候補としては、『光の道筋』などが適切でしょうか。
ちなみに、このカードを使用すると、このカードと効果対象の合わせて2枚のカードがハンドから消え、1枚ドローするので、ハンドは必ず1枚減ります。

①『師の教え』3枚
自分もしくは相手のフォロワー1体をターン終了時まで+1/±0する。カードを1枚引く。
使い道は色々。主に盤面処理であとアタックが1足りれば……という時に使えます。相手が更地で、他に切るカードがなければ、自分の場のフォロワーに使って打点を上げるのが吉かも。温存するほどのものでもないというか、ドローを進めるのが至上命題のデッキなので。地味に相手フォロワーにも使えるので、こちらに出せるフォロワーがいない時や、無傷の『純心の歌い手』をアタック1の相手フォロワーに壊してもらうのに使ったりもできます。
このカードを切ってカードを1枚ドローするので、ハンド枚数は必ず不変。

①『大安売り』2枚
カードを1枚捨てて1枚ドローする。『歴戦の武具』を1つハンドに加える。
『歴戦の武具』は、コスト2のアミュレット。そのまま出すと、相手ターン終了時に『ナイト』1体を生み出します。カウントダウンは2(要は、置いたターンの次のターンとその次のターンに、1/1の召喚酔いしていない兵士フォロワーが出てくる)。
使用時に場にロイヤルフォロワーがいる場合、チョイス効果が発動します。盾と剣を選ぶことができ、それぞれ、場のロイヤルフォロワーを±0/+1か、±1/+0します。カウントダウン1で、それぞれ『シールドナイト』(1/1守護)か『ヘヴィナイト』(1/2)が1体出てきまく(これらはラストワード効果なので召喚酔いしている)。
では『大安売り』の役割はこの『歴戦の武具』を手に入れることかというと、それだけではありません。もちろん『歴戦の武具』が役に立つ場面はあります。基本的にはひたすら防衛に回りつつハンドを回すのが重要なので、防衛に役立ちそうな場面では『歴戦の武具』は積極的に使いたいところ。
『大安売り』の本筋の役割は、やはりドローにあります。このカードの効果は、普通に発動すると、このカードと対象カードの合わせて2枚を捨て、1枚ドローと『歴戦の武具』が加わることでハンドは2枚増えて、基本的にはハンドの数は不変です。
しかし、『光の道筋』を捨てる対象にすると、『光の道筋』側の効果で追加ドローができるので、ハンドは1枚増ます。後述する、「ハンドを捨てる」能力を持つカード全てに言えることですが、『光の道筋』で追加ドローを行うべきかどうかを見極めるのも重要です。

②『光の道筋』3枚
カードを1枚ドローする。他のカードの効果でこのカードが捨てられた場合、1枚ドローする。
「使ってもドロー、使われずに捨てられてもドロー」というカード。従って、カードを捨てる効果を持ったカードと組み合わせることで、効率のよい運用ができます。というより、カードを捨てるというデメリットを補填するようなイメージでしょうか。安全牌みたいな。
ただし、『大安売り』の対象にすると、ハンドは増えます。また、ハンド枚数が不変である、あるいは増加するということは、ハンド溢れの可能性も増すので、目先の効率の良さに囚われてはいけません。
ハンド溢れの危険性は、例えば7ターン目のハンドが9枚あり、その中に『新たなる運命』1枚、『光の道筋』2枚がある場合、最初に『新たなる運命』を使うと、通常の8枚ドロー+『光の道筋』の追加ドローが2回で、計10枚ドローすることになる、というような状況にあります。もし溢れる1枚が次の『新たなる運命』だったとすると目も当てられません。そのため、ハンドを1枚減らしてから『新たなる運命』を使うべきかと考えられます。ちなみにこの際の最大効率の動きは、『神秘の指輪』で、『新たなる運命』『光の道筋』以外のドローソース・サーチカードを返す動きです(コスト1で取れる動きなので)。

②『新たなる運命』3枚
ハンドを全て捨て、捨てた枚数と同じだけドローする。
このカードは(というか全てのカードは)発動時には既にハンドに含まれていない扱いになります。従って通常は、このカードを含まない他の枚数を引くので、使用前の状態から使用後に持つハンドは1枚少なくなります。
捨てるカードの中に『光の道筋』があれば、追加ドローを行うので、補填できたり、場合によってはハンドが増えます(前項を参照)。
このデッキで一番大事なカード……いや一番大事なのは『スパルタクス』ですが。『スパルタクス』は6ターン目に出せれば良いだけですが『新たなる運命』は、「7ターン目に必ず1枚だけハンドに持っており、あとの2枚はデッキに残っているのが望ましい」、というやや難解なカードです。『イルミスナ』のサーチ対象のスペルであるので、3〜5ターン目時点で「ハンドに『スパルタクス』はいるが『新たなる運命』はない」という状況の時は、積極的に『イルミスナ』をプレイするか、強力なドローソースを使ってドローを進めるべきかもしれません。

②『簒奪の蛇剣』3枚
相手フォロワー1体に3ダメージ。財宝カードをランダムに1枚取得。
財宝カードについてはランダム要素が強く、このデッキの場合戦略には組み込みにくいです。しかし、1コストという軽さで、状況を解決できる可能性も秘めているので、場合によっては「目当ての財宝カードを手に入れられる可能性に賭けて『簒奪の蛇剣』をプレイする」という状況もあり得ます。
このデッキにおいて数少ない「ドローもサーチもしない」カード。しかし、財宝カードが手に加わるので、『新たなる運命』を効率よく使うための「ハンドを減らさない」役割も持っています。

【フォロワー編】

②『ソードエンジェル・エフェメラ
ニュートラル 3/1→5/3
他に自分のフォロワーがいなければ突進を持つ。
進化時 他に自分のフォロワーがいなければ+2/+2する

このデッキにおいては打点で勝負しないので、相手フォロワーの猛攻を凌ぐカードが必要になります。先述の『簒奪の蛇剣』と同じく、即座に3点のダメージを出せますが、こちらは条件付き。『蛇剣』との違いを下にまとめます。
・効果対象を絞られない(『ロイド』などを無視できる)
・場に残る(可能性がある)
・『赤ずきん・メイジー』の効果のトリガーにできる
・条件付きだが突進を持つので、『沈黙の信徒』(突進か疾走を持つカードと交戦する際にアタックを-2する)などには弱い
・サーチもドローもせず、追加カードもないので、ハンドが減る

これらのポイントを踏まえて、『蛇剣』とどちらを使うか考えるとよさそうです。
後攻4ターン目に自分の場が更地でも、『メイジー』と組み合わせることで、1体破壊+3点+4点と動くことができます。
また、『エフェメラ』自体の進化時効果が発動すると、それだけで2/7/5フォロワーになるので、返しのターンに除去を迫ることができます。何もやることがなかったり、相手がアタック4以下のフォロワー1体しか出していない場合は、『エフェメラ』を進化させる動きも十分にありです。

②【メイドリーダー】
ロイヤル・兵士 1/1→3/3
指揮官カードを1枚サーチする

このデッキで一番大事な『スパルタクス』を引くためのカードです。え?もう一人指揮官がいる?そのカードも『スパルタクス』を引くためのカードなので……
多くのデッキでは、『メイドリーダー』と『スパルタクス』だけが採用されているかと思いますが、自分は少し工夫してみたいと思い、この編成にしました。
スパルタクス』と『メイドリーダー』のみの組み合わせだと、サーチカード1種類に対し、被サーチカード1種類です。そのため、先に『スパルタクス』を引ききってしまうと、『メイドリーダー』の効果は発動しなくなります。加えて、後述の『ルー』も類似の効果を持つカードですが、そちらと比べるとスタッツが弱い。サーチ手段は多いに越したことはありませんが、それが腐ってしまう可能性と、よりルートを広く取れるようにということで、『メイドリーダー』以外も入れました。逆に、あと3〜4枚、差し替え候補のカードがあれば、また『メイドリーダー』のみの編成になるかもしれません。差し替え候補に関しては、最後にまとめて考察します。

②『赤ずきん・メイジー
ロイヤル・兵士 2/2→4/4
進化時 自分の場にニュートラルフォロワーがいるなら、相手フォロワー1体を破壊する

強い。
このデッキのニュートラルフォロワーは全部で3種7枚。『歌い手』を増やしても良いのですが、後述しますが採用枚数を抑えてます。
特に前述の『エフェメラ』と組み合わせることで、コスト4で中々の動きができます。
先攻5ターン目に、既に『スパルタクス』と『新たなる運命』を持っている場合、他の動きとして、『ミニゴブリンメイジ』からサーチして来れるとラッキー、という考え方もできます。
派手な効果を持っていますが、このデッキでは一番地味な役どころのカードかもしれません。一応、「使うと必ずハンドが減る」カードではあるので、枚数調整になることもあります。『スパルタクス』のサーチ対象でもあります。

②『太陽の槍・ルー』
ロイヤル・兵士 1/2→3/4
コスト4以下の指揮官をサーチする。エンハンス4;追加でコスト5以上の指揮官をサーチする

『メイドリーダー』と競合すると見せかけて、コスト2で出す場合は『スパルタクス』を引けるわけではないので明確に差別化されています。では『ルー』をエンハンスせずに出すのは弱い動きかというと、決してそうでもありません。何故なら、『アイテール』を引くことにより、5ターン目に『アイテール』を出すことによってスパルタクスを確定サーチできるからです。
なお、エンハンスで出せば、必ず『アイテール』と『スパルタクス』のセットを引くことになります。ただし、4コスト支払ってハンドを1枚増やして1/2のフォロワーを出すことは、このデッキにおいてあまり望ましいことではないとも考えられます。1〜2コストでできる別の動きがあるなら、そちらを先に行ってから、2コストで素出ししたい。エンハンスを使いたい場面があるとしたら、「5ターン目にハンドに『メイドリーダー』『アイテール』『スパルタクス』がいない」時の緊急回避程度です。『メイドリーダー』さえいれば、直接サーチしてくるか、『アイテール』というワンクッションにより『スパルタクス』が引けるので、5ターン目に『メイドリーダー』と『ルー』がいる場合、相手の盤面と自分のハンドにもよりますが、基本的には『メイドリーダー』が初手の方が丸いです。5ターン目『メイドリーダー』よりもエンハンスの『ルー』を出すかどうかの見極めは、「相手の盤面が、進化した『ルー』だけで対処できる(『メイドリーダー』→『アイテール』進化と大差ないと思える)状況で、ハンドを補充したいかどうか」です。相手の盤面が弱く、ハンドが5枚以下なら、『ルー』を出すことを考慮してもいい状況と言えそうです(ハンド枚数が、『ルー』を出して5-1=4→『ルー』のエンハンスで2枚引いて4+2=6→次ターン開始のドローで6+1=7→『スパルタクス』を出して7-1=6→『スパルタクス』の効果が発動して6+2=8という流れで、7ターン目開始時に9枚持つことができるため)。

②『マジックディーラー・エルネスタ
ロイヤル・兵士 2/2→4/4
ハンドを1枚捨て、1枚ドローする

地味ですが重要なカードです。このデッキは2コストでアタックが1のフォロワーがいるので、後攻時に、相手の先攻2ターン目に2/2を置かれた後だと、前述の『エフェメラ』『簒奪の蛇剣』で即座に対応できないと、渋々「一方的に取られると分かっている」フォロワーを出さざるを得ない状況になることもあります。その状況に対する回答の一つとしての役割がまず一つ。
あとは、ドローを進めることができるという点と、『スパルタクス』のサーチ対象であるという点の二つの役割があります。

③『ミニゴブリンメイジ』
ニュートラル 2/2→4/4
コスト2以下のフォロワーをサーチする

条件を満たすカードは全部で5種12枚あります。書いてみて思いましたが、意外と多いですね。3ターン目に出すなら何を引いてもぼちぼちですが、5ターン目に『ミニゴブリンメイジ』から『ルー』などを引いた日には、『スパルタクス』を6ターン目に出す以外の動きを考えた方がいいかもしれません(というか元々持っていない限り不可能に近い状況なので)。際立った強さはありませんが、コスト2フォロワーはどれも重要な役割を持っているので、それを絞ってサーチできるのは十分役割を持っていると言えるでしょう。ただ、2/2ということで一方的に取られる可能性が高いことも考慮しなければなりません。

③『純心の歌い手』1枚
ニュートラル 1/2→3/4
1枚ドロー、ラストワード 1枚ドロー

このカードだけで、即座にではないですが、手札が1枚増えると考えられます。出したターンの返しのターンで破壊された場合、次のドローの後、ハンドは出す直前と比べて2枚増えていることになります。
ドローすることだけを考えると、『新たなる運命』に次いで効率の良いカードという印象になりますが、序盤にこのカードを使うことによりハンドが増えると、6ターン目に『スパルタクス』を出したあとの追加ドローの時点でハンド溢れの可能性が出るほどになってしまいます。確実にハンドを減らすことができるカードが9枚しか入っていないこのデッキにおいて、軽率に「増やしやすい」動きを取ってしまうのは、ハンド溢れからの事故の確率を高めるので、使い所はよく考えるべきでしょう。

③『白翼の戦神・アイテール』
ロイヤル・指揮官 2/3→4/5
現在の最大ppに+1したコスト以下の中で最大コストのロイヤルフォロワーを1枚サーチ
進化時 他のフォロワーを±0/+1する

出すだけで次のターンの動きが安定する強いカード。各コストのロイヤルフォロワーを絞ることで、色々な使い方ができます。
このデッキにおいては、5ターン目に出すことでコスト6の『スパルタクス』を引くためのカードです。
ちなみに、サーチ対象はロイヤルフォロワーなので、『スパルタクス』を引いた後でも腐りません。
同コスト帯標準のスタッツがあり、進化時に他フォロワーの場持ちを良くする効果があるので、5ターン目に是非使いたいカードということになります。
3〜4ターン目の時点で使うともう一枚の『アイテール』か『イルミスナ』を引くことになりますが、それらが必要だと感じた際には3〜4ターン目に使ってしまっても構わないと思います(既にハンドに『スパルタクス』がいる時など)。

⑥『スパルタクス
ロイヤル・指揮官 4/5→6/7
デッキの一番下の死神のカード(引くと負け)を勝利のカード(引いたら勝ち)にする。
ターン終了時、兵士フォロワーを2枚サーチする

このカードがないと始まらない。早くても7ターン目開始まで勝利できないという意味でもあるので、アグロなどにはどうしても弱くなってしまいます。加えて、他の特殊勝利系カードや非ビート系フィニッシュ狙い(『セラフ』『リーシェナ』等)のデッキと違い、防御手段や回復手段に採用できるカードが少なく(プールに存在しないというわけではなく、相性が悪い)、安定して6,7ターン前後で勝負を決められる上手いアグロヴァンプやドロシーウィッチなどには手も足も出ません。一方で、前述のカード群と違い、「相手に止める術がない」のが『スパルタクス』の勝利条件の強さです。そのため、勝利に要するターンが平均して8ターン前後かそれ以上かかるデッキに対しては、悪くない勝率が出せるとも考えられます。もちろん相手はそれも分かっているので、こちらが『スパルタクスロイヤル』だと察するやいなや、攻め手が苛烈になります。それを凌ぐための最低限の防御・回復手段と、大量のドロー・サーチ手段のバランスの見極めが肝になります。場合によっては6ターン目に『スパルタクス』を出しにくい盤面を作られることもあるでしょう。しかし、「デッキを引き切る前に『スパルタクス』を出すことができれば良い」と考え、6ターン目に別の動きを取ることも考えられます。ここも見極めかなと思われます。

カードの解説は以上です。
次にプレイングのポイントについて。


【『新たなる運命』が2枚あるからといって、すぐに『神秘の指輪』を使わない】

基本的に『新たなる運命』は7ターン目以降に使用し、次の『新たなる運命』を引いてこられることに賭けることになります。従って、ハンド内で被ってしまうと、大量ドローのチャンスを捨てることになってしまいます。これを避けるために『神秘の指輪』を使うわけですが、そのタイミングはいつが良いのか、という話です。
例えば先攻5ターン目開始時に『新たなる運命』2枚と『神秘の指輪』1枚を持っているとしましょう。この段階でドローを1枚も進めていないということは考えにくいので、デッキ枚数は28枚と仮定します(1枚も進めていない場合は32枚。4ターン目までに10pp使用できるとして、追加で4ドローは難しくありません。7ターン目勝利を狙うなら最低限のラインがこのあたり)。このタイミングで『新たなる運命』を戻すことを考えると、『神秘の指輪』の発動により、『新たなる運命』が2枚入った29枚のデッキから1枚引くことになります。まず、ここで被りを起こしてしまう可能性が2/29=6.9%。
次に、6ターン目のドローで引いてしまう可能性が、最低でも2/28=7.1%あります(5ターン目に他のカードでドローを進めている場合はもっと高い)。
そして、基本的な動きとして、6ターン目に『スパルタクス』を出して兵士フォロワーを(ほぼ確実に)2枚引いて迎える7ターン目のドローで引いてしまう可能性は2/25=8%です。
これは、言い換えれば、「7〜8%前後で被りを起こしてしまうドローを複数回しなければならなくなる(そして被りの可能性は試行回数ごとに上がる)」ということになります。
仮定した状況の「5ターン目初手で28枚のデッキに『新たなる運命』を返す」状況から、「7ターン目にハンドで『新たなる運命』を2枚以上抱えてしまう」状況の発生確率は、(簡単にボックスガチャ計算機で計算した結果)なんと20%もあります。

僕は頭が悪く面倒臭がりなので計算機を用いる際には考慮しませんでしたが、『スパルタクス』等によりデッキが圧縮されていることを考えると、実際の確率はもう少し高くなります。
僕は頭が悪いので(2回目)、使い始めた当初は被った『新たなる運命』はすぐに戻していましたが、一度、戻したはずの『新たなる運命』(か別の『新たなる運命』かは分かりませんが)がすぐさまドローされるということがありました。この時の確率がいくらかは分かりませんが(仮定した状況とどの程度近似しているかは覚えていない)、流石の僕も、これは「運が悪い」のではなく、「単純なプレイングミス」なのではないかと気付きました。
そこから考えてみた結果、このようなお粗末なプレイをしていると、「7ターン目までにそう低くない確率で被りを起こす」ことが分かりました。
仮定したような試合運びを5回すれば1回は被る。毎試合仮定したような試合運びをすれば5試合に1回は絶体絶命のピンチに陥る。そう考えると、これはなるべく避けるべき状況だということが分かります。
そのため、7ターン目に『新たなる運命』を1枚だけ持っている状況を作るには、7ターン目開始時に『神秘の指輪』を使いましょう。3枚被ったらどうするか? 運が悪かったと思うしかないでしょう……それも運命です。
『神秘の指輪』を2枚確保できれば解決できますが、7ターン目の初動で『神秘の指輪』を2回使うと、それだけでハンドは2枚減り、ppは5になるので、『新たなる運命』の効率が落ちる上に3回転できなくなります。最初に1枚だけ『神秘の指輪』を使い、大人しく8ターン目を迎えられるような防衛的な動きを取った方が賢明でしょう。

【『新たなる運命』の先出し】

これは確率計算が面倒なのと、条件分岐チャートを作ろうにも判定に思考時間を要するため実戦でいちいち検討するのは現実的でないので、感覚で話をします。
「4〜5ターン目になっても、めちゃくちゃドローしてるのに『スパルタクス』もサーチ手段もない!『新たなる運命』はある!」という状況は、低確率で起こります(スパルタクス関連カードの方がハンドに入ってくる可能性は高いのでそう高くはない「低確率」です)。
この時、一度『新たなる運命』を使ってしまう、という解決方法があります。
これにより、7ターン目以降に撃たなければならない『新たなる運命』1回分を削減でき、なおかつそのドローで『スパルタクス』やサーチカードを引いてこられる可能性もあります。
スパルタクス』の解説でも述べましたが、飽くまで「引き切る前に『スパルタクス』を出していれば良い」デッキなので、極端な話、5ターン目までにデッキを1〜3枚にし(それがゲームシステム上可能かどうかは分かりませんが、僕の編成ではまず無理だと思います)、6ターン目に『スパルタクス』を出せば、「そのターン中に『純心の歌い手』を破壊させる」「7ターン目の開始時に勝利のカードを引く」など、かなり早い段階で勝負を決めることができます。
僕の経験として、ミラーマッチで、相手が5ターン目に『新たなる運命』→今引きの『アイテール』で『スパルタクス』をサーチという、「狙って確定できるわけではないが、決まるとなんかかっこいい」動きをしていたのを見て、この動きが現実的かどうかは考察に値すると感じました。
6ターン目のドローでハンドが7枚以下になる状況ならば、狙ってみてもいいかもしれません(あまりに少なすぎると次に繋がらないし、そもそも少ないということは『新たなる運命』の運用方法としては効率が悪いので、その点は考慮すべきです)。

次に採用候補カードについて。


他の採用候補カード

散々状況仮定や確率計算などしてきましまが、基本的に僕が使っているデッキの話なので、実はオーソドックスな『スパルタクスロイヤル』とは必ずしも状況は一致しません。
何がオーソドックスかについては、某企業型wikiデッキリストなどを見てもらうといいかと思います(僕はそこからコピペした上で手を加えました)。

ここからは、【オーソドックスなデッキにも僕のデッキにも入っていないが、僕が「これはアリかもしれないな」と思うカード】を書いていきます。
(ここで挙げなかったカードは僕が「向いてない」と考えているということでもあります。挙げたとしても消極的なものもあります。「このカード入れてないの?」「その評価はおかしい。こういう使い方がある」というものがあれば是非教えてください)

【スペル・アミュレット編】

①『騎士号の授与』
ロイヤル スペル
自分のフォロワー1体は「交戦時 カードを1枚引く」を持ち、兵士なら指揮官になる

軽いスペルなので検討してみてもいいかもしれませんが、カードを引くまでに1クッション必要なので、そこまで強くはありません。引ける枚数も不確定なので、ハンド補充にならなかったり、意図しないハンド溢れに繋がる可能性もあります。一応、『エフェメラ』等、突進や疾走を持つフォロワーと組み合わせるのが効率的ではあります。進化したフォロワーに使ってもいいかもしれません。

①『大掃除』
ロイヤル アミュレット カウントダウン3
ターン終了時、ハンド内のコスト最大のカードを1枚捨てる。カードを1枚引く。

こちらは割と現実味のあるカードです。1ターン目に出すもよし、余ったppで出すもよし。気をつけるべきは、5ターン目にこのアミュレットが存在してしまうと、『スパルタクス』を持っていた場合、確定で捨ててしまうことです。そのため、3〜5ターン目には基本的には置かない方が良いということになります。
使い所としては1〜2ターン目に使うか、7ターン目以降に置くかになります。『スパルタクス』の後出しで決める覚悟をして3ターン目ぐらいに置いてもよいかもしれませんが、4〜5ターン目は流石に避けるべきでしょう。
軽さの割に、本来使いやすいターンで使いづらいという特性があるので、今のところ採用は考えていません。

①『財宝の地図』
ニュートラル スペル
『まどろみの森』、『騎士王の威光』、『魔法図書館』、『鳳凰の庭園』、『冒涜の墓場』、『鮮血の花園』、『ペガサスの結晶像』の中から、ランダムに1枚を手札に加える。

正直微妙なところですが、『まどろみの森』『魔法図書館』あたりは当たりかと思います。
『冒涜の墓場』は発動条件を満たすのがやや難しいですが、盤面が弱いこのデッキにおいて、発動できるなら、助けられる場面もあるかもしれません。
『ペガサスの結晶像』は、回復手段の乏しいこのデッキにおいて有難い存在になりますが、やや重いです。
『鮮血の花園』は逆に、出すと自分の首を絞めることになるので、捨てる対象などに選ぶべきかと。
『騎士王の威光』は本来のクラスのカードでありながら、残念ながら使い所がほぼ無いと言ってもいいでしょう。5ターン目に『スパルタクス』と『新たなる運命』を既に持っているなら……というところもありますが、そんなことより他のカードを使った方が安定します。捨てる対象でしょう。
鳳凰の庭園』は、友情コンボが怖くなければ出しても良いかもしれませんが、返しのターンで激詰めされるとあっという間に溶けることになります。これもやはり、『スパルタクス』『新たなる運命』が1枚ずつ見えている場合には使えるかもしれません(1〜4ターン目にかなりドローを進めていれば、6ターン目勝利もワンチャンスかもしれません)。
本筋に戻りますが、『財宝の地図』は、これらのカードから1つをランダムで取得します。「最悪、捨てる対象にすればいい」「欲しいカードが来たらラッキー」と考えて運用できるのであれば、アリかもしれません。ただし、『魔法図書館』を引いた場合以外はドローが進まない(『鳳凰の庭園』は間接的に寄与するが重い)ので、そこまで強力という印象はありません。
一応、「使ったときに必ずハンド枚数が不変になるカード」と認識できるので、それを組み込みたい場合の選択肢にはなると思います。

②『鏡の世界』
ニュートラル スペル
カードを1枚引く。
コスト7以下の自分の手札と、コスト7以下の自分の場のカードすべては、ニュートラル・カードになる。

『メイジー』のシナジーを発動しやすくするので、アリかもしれません。反面、『大安売り』で入手した『歴戦の武具』のチョイス発動条件が満たしにくくなることも考慮した方がいいかもしれません(必ずしもチョイスを発動させるべきというわけでもないのは前提として)。
コスト2で1枚ドローなので、ドローソースとしてはそこまで強力ではありません。

③『月と太陽
ニュートラル スペル
・『アマテラス』
・『ツクヨミ
チョイスしたカード1体を出す。
エンハンス7 このカードの能力で出したフォロワーを+3/+3する。

回復手段の乏しいこのデッキにおいて、『アマテラス』を出し続けることで、「ハンド消費とライフ消費双方を抑える」ことができるかもしれません。ただし、ハンド消費を抑えるということはハンド溢れの可能性を高めるので、キーカードを溢れさせる危険性も持ちます。ドローの弱い編成なら一考の余地はありますが、そもそもドローを強めることが勝利に直結するデッキなので、そこまで現実味はありません。

①『天使の泉』
ニュートラル アミュレット
ファンファーレ 自分のフォロワー1体を±1/±0する
ラストワード カードを1枚引く

『師の教え』と役割が近いのですが、こちらは自分のフォロワーしか対象にできません。反面、強化対象がいない全くの更地でもとりあえず置くだけ置くことはできます。割と軽率に採用してもいいカードかもしれません。
あまりないとは思いますが、消滅や変身等させられるとドローできなくなる点が『師の教え』に比べて明確に劣る部分です。

【フォロワー編】

②『ゴブリンファイター』
ニュートラル 2/1→4/3
ファンファーレ 『ゴブリン』、『ゴブリンリーダー』の中から、ランダムに1枚を手札に加える。

フォロワーによる殴り合いに弱く、特にアタック1の『メイドリーダー』や『ルー』が必須のこのデッキにおいて、『ゴブリン』もどこかで役に立つかもしれません。『ゴブリンリーダー』も、優先的に除去カードを切らせるきっかけになります。
「使うと必ずハンド枚数が不変」のカード群の一つとして捉えられます。
これと同じような理由で、『ゴブリンエンペラー』『スウィンガートリオ・ローアイン』あたりも考えられなくはないかな、と思います。
しかし、これらを入れるなら他のカードの方が強いだろうな、とは思います。

⑨『氷獄の王・サタン』
ニュートラル 7/7→9/9
アクセラレート3 コキュートスカード の中から、ランダムに異なる4枚をデッキに加える。

  • ———

ファンファーレ 自分のデッキをコキュートスカード のデッキにする。
もちろんアクセラレートで使用する前提です。デッキが4枚増えるので特殊勝利を遠ざけてしまう面もありますが、コキュートスカードはいずれもコスト比の性能が高く、ドローの強いこのデッキにおいては引き込める可能性が十分にあるので、これにより安定性を高める可能性があると考えられます。

今のところはこれぐらいです。


まとめ

自分の中で、採用候補カードで「これは悩むな」というのは正直『大掃除』と『天使の泉』と『鏡の世界』ぐらいです。『サタン』も割と……という気はしていますが、3ターン目の動きを捨ててまでやることが「デッキを4枚増やす」なのもちょっと気になりますね。ビートダウン路線があり得るデッキ編成ならアリでしょう。

ちなみに、前項に書かなかったカードとして、他にも『天国への階段』などのドロー系アミュレットその他ドローソースはありますが、「重い」「引きすぎ(溢れる)」などの理由で採用は考えていません。
あと、『シンデレラ』も盤面の安定とハンドコントロールに繋がるかと思いましたが、指揮官サーチを致命的にブレさせる存在だな、と感じます。
逆に、『サタン』や『シンデレラ』を積極的に採用してミッドレンジからビートダウンも狙える『スパルタクスロイヤル』亜種みたいなものを考えてみてもいいかもしれませんね。

ここまで長文を綴ってきましたが、『スパルタクスロイヤル』の魅力は、やはりなんといっても「勝利を止める術がない」という点にあると思います。この言葉にピンときた人は、是非一度使ってみていただきたいと思います。

以上です。